2018年12月24日月曜日

【クリスマス・イブに読んだ絵本】12月通り25番地(BL出版)【温度を感じる絵本】

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12月通り25番地(BL出版)


さく:ヘレン・ウォード
え :ウエイン・アンダースン
やく:岡田 淳

定価 1600円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 10分程度


~読み聞かせの感想~
12月24日のクリスマスイブにクリスマスの絵本を紹介するブログ(笑)
ご容赦ください。

今年、本当につい先ほど
子どもたちに読み聞かせました。

毎年恒例のクリスマス絵本。

今年はちょっとシックな表紙の絵本。

タイトルが「12月通り25番地」なんて、
なんだか大人もワクワクしてしまうミステリアスな雰囲気。

子どものクリスマスの華やかさとは違い
落ち着いた、それでいてサンタさんがリアルに感じる絵本になっています。

主人公は小学生くらいの小さな女の子。
大切な人に贈るクリスマスプレゼントを探します。

でも、なかなかプレゼントは見つかりません。
とうとう今日はクリスマス・イブ。

誰もが幸せそうに大通りを歩いています。
行き交う人々、明るいネオン、自動車の音に圧倒されながらも
必死にプレゼントを探す女の子。

ところが小さな女の子は次第に大人に押され、はじかれ、
とうとう大通りを歩けずに脇の通りへと入っていきます。

そこが12月通り。

表の喧騒が嘘のように
ひっそりと静まり返っています。
薄暗く、降る雪ですら寂しさを感じるこの通り。

そこに一軒だけ明かりのあるお店がありました。
場所は25番地。

そこは、たくさんのおもちゃがあるおもちゃ屋さん。

女の子が探しているプレゼントも見つけることができました。

お店の中は意外と暗くて殺風景。
それでも所せましとおもちゃが置かれています。

女の子はプレゼントが手に入ると喜んだもの束の間。

そこには先客が。

店員さんは一人のようで、
このお客さんに付きっ切り。

女の子はたった一つの
あのプレゼントが欲しいだけなのに
たった一人の店員さんは
「少々お待ちください。」

待っている間に先客は尋常じゃないほどおもちゃを買っていきます。
車のおもちゃもお人形もパズルもぬいぐるみも。

先客はずんぐりむっくりの体形で
長いひげをたくわえているおじさんのよう。

おじさんが指さしたおもちゃは
次から次へと白い袋へ入れていかれます。

そして、お店にあったたくさんのおもちゃは、
どうやって入ったのか首をひねりたくなりますが、
余裕をもって袋へと収まります。

そのおじさんは慌てて会計を済ませると、
狭い扉を無理やり通り、
気づくとそこに誰もいなくなりました。

女の子はその姿を唖然と送ります。
そして、すっと正気に戻り、店員さんへ声をかけようとします。

しかし、そんな彼女よりも早く店員さんは
「申し訳ありません。もうお売りするものがうちの店にはありません。」

物語自体が落ち着いたトーンで進むため大げさには描かれていませんが
ずっと探し求めていたものが目の前であっという間に消え去った事実は
大変にショックだったと思います。

女の子は落ち込んでお店を出ました。

悲しみに暮れる女の子。

そこへ、ふわりふわりと飛んできたのが白いぬいぐるみ。
「メリークリスマス!」
とのメッセージとともに、
女の子の探し求めていたプレゼントがやってきたのです。

明かりの少ない12月通り。
その1本の街灯の下で、
白い動物のぬいぐるみを大切に大切に抱きしめます。

そして、クリスマス。
女の子はプレゼントを大切な赤ちゃんに渡すことが出来ました。

この赤ちゃんは誰のどういう関係かは描かれていませんが、
そんなことはどうでもいいほど、幸せな姿に描かれています。


この絵本には
家族や恋人などクリスマスにありがちな関係性は描かれていません。

また、女の子の境遇も描かれていません。

柱となるのはプレゼント探しと最後のプレゼントを渡すシーン。

しかし、その間に行き来する不思議な非日常空間は
リアルからそう大きく外れることもなく
誰でも自然と入り込むことが出来ます。

お店で見かけた先客のおじさんは
果たしてサンタクロースだったのか。

少なくとも、今日、クリスマス・イブには
夢の広がるとっても素敵な絵本でした。


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