2018年2月11日日曜日

中田くん、うちゅうまで行こ!(童心社)

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引っ越す前まで子どもが通っていた
保育園の音楽会に行ってきました。

私も14年働いた保育園なので
凄く懐かしかったです。

これで、娘と同級生だった子も卒園し、
とうとう保育園と全く関係のない
部外者になっちゃったなーw

我が子も大きくなったと思ったけど
同じようにみんなも大きくなっているし。

時は確実に進んでいますね♪

中田くん、うちゅうまで行こ!(童心社)




文:さえぐち ひろこ
絵:佐藤 繁

定価 1333円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 15分程度

いつも目立つ子は決まってる。
勉強ができて、スポーツができて。

でも、子どもの世界だって
実はいろんな個性が輝いてる。

そんな姿を大人は見逃してるんだよな。

もっともっと子どもの輝きを
しっかりとらえる目を
身につけたいと思いました。

~読み聞かせの感想~
主人公の高橋さん、
小学3~4年生くらいかな。
声が小さくて、
教室ではきっと目立たないタイプ。

授業で難しい漢字が読めたのに、
先生には褒められず、
逆に声が小さいから怒られてしまった。

一方もう一人の主人公、
いつでもニコニコ、
ひょうきん者の中田くん。
学校ではニヤニヤしたり、
きっとクラスのムードメーカー。


先生に怒られ、落ち込みながら帰る高橋さん。
帰り道の公園の砂場で見つけたのは黄色い手袋、しかも片手。
誰かの忘れ物かなと気にしつつ、
手袋を拾い上げる。

高橋さんは手袋を先生に見立て、
今日怒られた一場面を再現する。
ただし怒られた現実ではなく
高橋さんが理想とする先生の対応で。

先生(手袋)「高橋さん、この漢字は何て読みますか?」
高橋「トウヒです!!」
先生(手袋)「高橋さん、素晴らしいですね。きちんと予習をしているのですね。」


高橋さんは声が小さいことも自覚している。
でも、どうしても大きな声が出ない。
そんな中でも、きちんと予習をし、
しっかり発言もした。

なのに、先生は私の声が小さいのを知っていて声の大きさだけ責めて、
努力したことは認めてくれなかったのがショックだったのだろう。


そこに、ひょうきんものの中田くんが現れる。
そして、そこでその手袋が中田くんのだと知る。

手袋を返す高橋さん。
それを受け取らず、高橋さんの片方が欲しいという中田くん。

中田くんの落とした手袋は
新しいお母さんが編んでくれたらしい。


そう、この中田くんもひょうきんな表情の裏に
家庭で難しい問題を抱えていたのだ。


高橋さんは片方の手袋を交換してほしいという中田くんを
「きっと新しいお母さんを半分だけ受け入れているのだろう」と推測する。


この推測、なかなか大人でもできない難しいこと。
高橋さんは豊かな発想の持ち主なんだと思う。


少し重たくなった雰囲気を打ち消すように、
高橋さんは中田くんをブランコへと誘う。
「中田くん、うちゅうへ行こ!」

唐突だけど、
今、一番二人がしたいこと、
この世界から違う世界に行きたい、
そんな思いが詰まった場面だった。

ブランコをいっぱい漕いで
力いっぱい宇宙へ逃避した二人。

別れる時には、
また少し力強く成長できたよう。

最後に高橋さんが家で交換した手袋を抱きしめたシーン。
次への一歩を確かめた
そんな大切な時間だった。



全体的に登場人物の繊細な思いが交錯する物語。
幼稚園生にはちょっと難しい内容かもしれません。

関西弁でリズムよく読めるところ、
考えさせるために間を取るところ、
読み手によって色の付けられるいい絵本だと思います。

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