2018年10月31日水曜日

【アンパンマンより不器用なヒーロー】かっこわるいよ!だいふくくん(PHP研究所)【姿は消えても心に残る究極の存在】

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かっこわるいよ!だいふくくん(PHP研究所)



さく・え:宇治 勲

定価 120円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 10分程度


~読み聞かせの感想~
だいふくくんの表情に惹かれた私。

裏表紙には豪快に食べられただいふくくんの姿。

お話の展開にはそれほど期待せず何気なく読み聞かせた絵本。


でも、そこには、アンパンマンのように正義感が強く
それでいてヒーロー扱いはされず、
それでも腐らず、最後まで自分を貫き通す
強いキャラクターが描かれていました。

舞台はある和菓子屋さん。

夜、だいふくくんは同じお菓子仲間から
「かっこわるいよ!だいふくくん」
となじられていました

みずまんじゅうには、容姿を比較され、
ぴかぴかな私の体のがいいと自慢される。

柏餅には裸でいる容姿を馬鹿にされ、
葉で包まれている私がいいと自慢される。

金平糖にも、串あん団子にもバカにされ
とってもいやな気持ちにさせられます。


そんなさなか、和菓子たちを狙っていたのは、

ねずみ。

和菓子がどのように逃げるかはご想像にお任せして、
おいしそうな可愛い花の形をした和菓子が
ネズミにつかまりそうになってしまいます。

そんなネズミに勇敢に立ち向かったのは
あの「かっこわるい」と言われ続けただいふくくん。

ぼてっとした体を武器に、
ネズミへ体当たり。

ネズミに触れれば自らが売り物にならないことを承知したうえで
仲間を助けようと必死に戦います。

その必死さを恐れてかネズミはすごすごと退散。

さて、そんなだいふくくんですが、
体がボロボロになってしまいます。

するとだいふくくんの体から見えたのは
「いちご」
だいふくくんは、いちごだいふくだったのです。

このことに気づいた和菓子たちは
イチゴだいふくくんに謝ります。

実はこの場面をめぐってこの絵本の評価は賛否両論となっています。
なぜなら、絵本ではだいふくくんが「いちご」だいふくだったから、
みんなが今までの事を謝ったように描かれているからです。

容姿や中身が見えるものだけで評価され、
それに従って行動することに嫌悪感を示す方もいるでしょう。

ただ、私はそれほどその点は意識せず、
だいふくくんの勇気をたたえるように読み聞かせを行いました。


さて、物語はここで終わりません。
ラストは衝撃的。
だいふくくんが食べられます。

誰にって?

ネズミくんです。

先ほど懲らしめたネズミくんに
もう仲間を襲わないことを約束したうえで
自分の体のすべてをささげます。

ここでも、絵本の評価は賛否両論。
ヒーローが消えてしまうようなラストは
いかがなものかという意見もありますが、
私は食べ物は食べられてこそ幸せじゃないかなとの考えから、
読み聞かせの時に一瞬驚きの表情を見せたこどもたちに
「だいふくくんってどんな気持ちだったんだろうね」
と少し話をしてみました。

当然、痛そうとか怖いとか出てきますが
一方で幸せそうとか仲間を守って偉いねとか
いろんな見方をしてくれます。

今回の絵本は表紙の単純な雰囲気とは裏腹に
小さい子に深い心情を理解するのは難しい内容だと思います。

小学生になり自分の経験が少しある子供たちが
自分の考えと照らし合わせながら読み進められるといいのかなと思いました。

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