2018年10月25日木曜日

【熊本地震で被災しながら出産を経験した作者】あかんぼっかん(偕成社)【ザ・キャビンカンパニー】

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あかんぼっかん(偕成社)


さく・え:ザ・キャビンカンパニー

定価 150円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 10分程度


~読み聞かせの感想~
私はほとんどの絵本を図書館で借りてきます。

その為、本の帯などはない状態で手に取るため
本の中身を純粋に感じることができます。

一方で、絵本のできた経緯や思いはあまり知らず
今までも絵本をサイトで紹介してきました。

今回も絵本を読み聞かせ記事にしようと思った時点では
生命力、躍動感あふれる作品として紹介しようと思っていました。


しかし、この絵本の創作には
偶然であり必然のバックグラウンドがありました。


作者はザ・キャビンカンパニーという二人組。
阿部さん、吉岡さんという大分で創作活動をされている方です。
以前、おかしな?ハロウィン(ほるぷ出版)という作品を紹介しました。


この作者のひとり、吉岡さんが出産をされたのですが、
それが熊本地震のさなかでした。
当初は、阿蘇山噴火などの影響で創作活動が滞っているさなか
被災した状態での出産。
そして、周りの方々から聞いた苦しみや嘆き、そして生きる強さ。

この体験や思いを創作しようと生まれたのが
今回の「あかんぼっかん」だそうです。

火山活動は大きな被害をもたらす一方で
自然活動としては新たな地を生み出し
エネルギーによって生命活動に変化を与える
生命とは切っても切れないもの。

この絵本では、
赤ちゃんの生まれる前の陣痛が大地震となり
泣き声は灰を降らせる様を表し
おならは硫黄ガスを表します。

何もバックグラウンドを知らないと
笑って終わりそうな場面ですが、
生命の誕生と火山の造山活動の対比は
強く惹きつけられるものがあります。

単なる絵本としても、
絵の使い方や、
飛び出すほどの迫力ある絵、
小気味良いリズムの文章で
子どもたちも楽しめます。

小学生くらいのお子さんには
始めか終わりに、
熊本地震と作者の体験を付け加えてあげると
より幅広い方が興味をもち、
絵本を深く読み込んでくれるのではと思います。

絵本創作の背景も大切だなと
改めて認識した絵本でした。

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