

【Ctrlキーを押しながらクリックしていただくと簡単に投票できます。】
木の葉つかいはどこへいった?(きじとら出版)
さく:ピーナ・イラーチェ
え :マリア・モヤ
やく:小川 文
定価 1600円(税別)
全25ページ
読み聞かせおすすめ度 ☆☆☆☆
読みごたえ度 ☆☆☆☆☆絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆
実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】
読むのにかかった時間 15分程度
当たり前のように訪れる四季。
中でも秋の深まりは暗さや影、寂しさを感じる季節でもあります。
一方で、色の濃淡がきれいな葉の色づき。
紅葉は、そんな寂しさと対極にあるような生命力を感じさせてくれます。
今回の絵本は、そんな色づいた葉が
落ち場となるその時をメインに描かれています。
文章が実にリズムよく、滑らかで
自分が読んでいても自然の心地よい流れを感じさせてくれます。
ただ、内容に比喩表現が多く
文章の多いページと絵だけのページの差が大きく、
小さなお子さんには少し退屈な絵本かもしれません。
物語は落葉が「木の葉使い」の指揮のもと行われているという設定で始まります。
しかし、今年はその木の葉使いが木々たちのもとにやってきません。
葉っぱたちは自分たちの色づき、そして季節の移り変わりを感じています。
それでも「木の葉使い」が来ないので、落葉に勇気を出せない葉っぱたち。
そんな中、一枚の葉っぱが覚悟を決めて木から落ちようとします。
その時の葉の覚悟と不安、見守る周りの葉っぱたちの気持ちの揺れ方。
これらが絵と文できれいに表現されています。
紅葉のきれいな絵はほとんど出てきません。
それでも、繊細な葉や雪に埋もれていく葉の姿には
静かな味わいを感じさせてくれます。
木の葉使いはどこへ行ったのか。
最後に種明かしをしてくれますが
ちょっと拍子抜けしてしまうような理由でした。
秋というより、秋から冬への季節の移り変わり。
そんな一場面を描いた繊細な絵本です。
読み聞かせもよいですが、
ぜひ一度大人の方が目を通して
味わっていただくと良いかと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿