2018年11月12日月曜日

【娘と母と祖母のお話】まよなかのたんじょうかい(すずき出版)【生活絵本として賛否両論】

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まよなかのたんじょうかい(すずき出版)



さく:西本 鶏介
え :渡辺 有一

定価 120円(税別) 

全29ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 10分程度


~読み聞かせの感想~
アマゾンさんでは評価の低い絵本です。
タイトルと話の内容があまりにギャップがあるのかもしれません。

実はこの絵本、小学校低学年の課題図書になっています。
その為、期待したほどではないというような
ギャップを感じた方も多かったのでしょう。

しかし、私はこの本を読み聞かせてみて
子どもたちと大切なことを考えさせられました。

物語はある母子家庭の様子を描いています。
サキちゃんは6歳の女の子。
お母さんはタクシードライバー。
娘を育てるために必死に働いています。
そして、サキちゃんを普段面倒見ているのはおばあちゃん。
三人家族の物語です。

サキちゃんはこの日誕生日を迎えます。
でも、お母さんはタクシーのお仕事。
後ろ髪をひかれながらも、
早めに帰ってくることを約束して
仕事へと出かけていきます。

サキちゃんは自分の誕生日会の準備を
おばあちゃんと一緒に進めます。

そして、予定の時刻になりました。
帰ってきません。

その時、お母さんには大変なことが起こっていました。

タクシーで通りかかった道に病気で倒れた方がいたのです。

お母さんは病人を助けようと必死に病院を探します。
サキちゃんとの約束の時間が迫っていても
そのまま放ってはおけませんでした。

家で待ち続けるサキちゃんとおばあちゃんのもとへ連絡が届いたのは
約束の時間を過ぎてからでした。

理由を知らず待ち続けたサキちゃんにとって
理由が知れただけでもうれしかったようです。

次の日が迫ったとき
お母さんは大急ぎで帰ってきてくれました。

とにもかくにも、まずはサキちゃんのお祝いを。
ハッピーバースデーをうたい、
バースデイケーキの灯を消したそのとき、
午前0時、翌日を迎えました。

お母さんはサキちゃんの誕生日に間に合って安堵します。
サキちゃんも誕生日を祝ってもらって大満足。

いつもならとっくに寝ている時間の誕生日会。
アクシデントはあったけど、
無事にこうやって家族でお祝いできるのは幸せなことですね。


一部の批判的な意見として挙げられるのは、
病人を発見しておきながら
お母さんがタクシーで病院を回るなど
適切な処置をしていないという場面が描かれている点です。

さらに作者がこの絵本を「生活絵本」として
子どもたちへの教育的な価値を前面に押し出しながら
発行されたことも批判を呼んだようです。

確かに、今の時代なら携帯ですぐに救急車が正しいですし、
私も「教育的にこの行為はどうなのよ」と聞かれたら
「変ですね」としか答えられません。

ただ、わが子たちに読み聞かせたところ
子どもたちは
・間に合ってよかったね。
・病気の人も助かってよかったね。
と好意的でしたし、
病院を探す場面に違和感を感じたら、
こういう時は救急車を呼ぶのもよいよねと
反面教師的な教材として
お話を付け加えてもよいと思います。

サキちゃんの我慢や不安、
それに耐えた強さやお母さんの思いやり、
おばあちゃんの温かい見守りなど
私は存分に読む価値のある絵本だと思います。

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