2018年11月15日木曜日

【私は危機を止められない】ガスこうじょう ききいっぱつ(ポプラ社)【シゲリカツヒコの描写力に圧巻】

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ガスこうじょう ききいっぱつ(ポプラ社)



さく:シゲリ カツヒコ

定価 130円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 10分程度


~読み聞かせの感想~
一度見つめられたら目を背けられない。
そんな生命力とどこか無機質な異空間。

その魅力にファンとなっている一人が私です。

今回のシゲリカツヒコさんの絵本は
ガス工場が舞台です。

絵本いっぱいに広がる工場の様子。
働く人々や工場の機械の唸る音。
一つ一つが本当に響いてきそうな
リアリティのある絵が描かれています。

ただ、ガスを生成する工場の割には
その材料が何だか見慣れないような見慣れたような
ガス生成できなそうなものが材料に供給されます。

しかもその材料はベルトコンベアで運ばれて
そこで働いている作業員さんが手作業で選別するという
表紙に描かれているようなダイナミックなガス工場の割に
アナログチックなガス生成の作業が続きます。

でも、どの人もガスを作るプロとして
汗をかきながら懸命に誇りをもって働いているのが
絵本からも伝わってきます。

さて、ガスが完成に近づくと、
今度はそのガスに匂いと音をつけるというのです。

危険なガスに匂いをつけるのは
イメージの沸くことですが、
音をつけるとはどういうことでしょう。

しかも、その作られたガスは
継続的にどこかへ送るのではなく
外へと解き放つのだそうです。

その時によい音が鳴るように
ラッパ型の管を入念に調節します。


さて、新品のガスが出来ました。
解き放つ準備も完了。

ところがです。
なぜかバルブが開きません。
焦る作業員。
懸命にバルブを回そうとしますが
まるで誰かが抑えているよう。


ここで、場面は突如、小学校に変わります。
そこは授業中。
一人の男の子が苦しそうにしています。
ガスの放出を懸命に抑えているのです。

そうガス工場はおなら工場。
そして、今まさにガスを放出したいガス職人と
なんとしても授業中の放屁はさけたい男の子の
なんとも力の入る戦いが繰り広げられているのです。

しかし、そこは一枚上手な職人たち。

最後は男の子がこらえきれずにおならをしてしまいます。

恥ずかしがる男の子。
喜ぶガス職人。

最後まで人間味あふれる人物たちが絵本いっぱいに広がる
とっても素敵な絵本でした。

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