2018年9月30日日曜日

【終わらない絵本】せかいかえるかいぎ(ポプラ社)【うわさ話が好きな皆様へ】

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せかいかえるかいぎ(ポプラ社)

さく:近藤 薫美子


定価 130円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 15分程度


~読み聞かせの感想~
かえるのせかいもグローバル。

一つの池だけ生活する時代は終わったのかもしれません。

ある池でこんなうわさが流れました。
「せかいかえるかいぎがあるらしいぞ!」

その噂は瞬く間に広がります。
「せかいかえるかいぎ」というとてつもないネーミング。
カエルじゃなくたってどんなもんよとのぞきたくなります。

人間がそんな気持ちになるのだから、
カエルはジッとはしていられません。

せかいかえるかいぎの会場へ
われ先にと大移動が始まります。

その移動している最中にも
うわさ話は広がっていき、
全世界中のカエルが
せかいかえるかいぎにくぎ付けです。

でもね、ふっと思うんです。
どのカエルも思うんです。
「せかいかえるかいぎ」ってなんなんだ。

そう。この噂には、何をやるかが情報としてないのです。
食べ物、住む場所、繁殖について??
噂に尾ひれがたくさんついて回ります。

絵本にはたくさんのカエルが描かれています。
庭先にいそうなかえるから
普段は見ないようなかえるまで、
種別が書かれているので
子どもたちも
「あー、このカエル知ってる!!」
とキャッキャしています。

ページをめくるとせかいかえるかいぎが始まります。
そんな時、雨が降り出し、会議も白熱?!
かえるは踊りだし、お祭りみたいな状態に。

それでもって、なんだかよく分からないうちに
せかいかえるかいぎは終了。

でもこの絵本、ここからが面白い。

会議が終わった瞬間、次の会議の噂がまわるんです。
終わりのページで終了かと思いきや、
裏表紙めくって、表表紙に戻って、
再び1ページ目にお話が「かえる」

ニュアンスが文では伝わりにくいのですが、
永遠に終わらない絵本。
それがこの「せかいかえるかいぎ」

2018年9月27日木曜日

【絵本だからこそ伝えられること】空のおくりもの~雲をつむぐ少年のお話~(フレーベル館)【自然と人のかかわり方】

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空のおくりもの~雲をつむぐ少年のお話~(フレーベル館)



さく:マイケル・キャッチプール
え :アリソン・ジェイ
やく:亀井 よし子

定価 130円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 10分程度


~読み聞かせの感想~
どのくらいの人が表紙にひかれて絵本を手に取ったでしょうか。
わたしも、その一人になりました。
やわらかく温かみのある絵。

どこまでも続いていきそうな空と地平線。

ただ、お話はそれ以上によかった。
自信をもって紹介できる絵本です。


あるところに、雲を紡いで
洋服やマフラーを作れる少年がいました。

母親からの教え通り、
ていねいにしっかりと作られた衣類の数々は
半端ではないふわふわの柔らかさと
ほわっと温かいぬくもりを想像できます。

そんな素敵な技術を持った少年に目をつけたのが王様。
自分の地位を利用して少年に命令をします。

その雲の衣類を作れるだけ作れ。
私、家族、みんなの衣類を作れるだけ作れと・・・。

一度は断ろうとした少年でしたが、
結局は断れず、いつも以上に雲から衣類を作ります。

来る日も来る日も言われた通り、
雲から衣類を作り続けると・・・

とうとうこの国から雲がなくなってしまいました。

雲がなくなった国は大変です。
雨が降らず、穀物は枯れ、人々に飲み水がいきわたりません。

王様のわがままが、自らの国を亡ぼすことになりそうなとき
そうなるのではないかと不安を抱えていた人物が少年のほかにもいました。

王様の娘だけはこの事態を予想していたのです。

大変な事態に、王様のことなんて関係ない。
娘が勇気ある行動を起こします。

すぐに雲でできた衣類を少年に返し
もとの雲に戻すよう命令をします。
この命令には喜んで従う少年。

最後は元の平和な世界に戻りました。


雲を食べる、雲にのるなんてことは想像したことがありましたが、
雲を織るという発想は初めてでした。

自分の目の前に欲しいものがあった時、
独り占めしたくなってしまうもの。

その先に何が起こるのか、
冷静に考えるのは大人でも意外に難しい。

そんな自然とのかかわり方を
絵本で上手に表現されています。

雲を織るなんてお話でしか表現できないからこそ、
子どもたちにとって印象に残るのだと思います。

2018年9月24日月曜日

【唯一無二な絵本】じつはよるのほんだなは(講談社)【エンターテイメント性抜群】

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じつはよるのほんだなは(講談社)



さく:澤野 秋文

定価 140円(税別) 

全36ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 10分程度


~読み聞かせの感想~
今回は以前「こんやはバクもねむらない」



をご紹介した澤野秋文さんの作品。
優しく繊細な描き方に魅了され
私が図書館で別の本はないかと探してしまいました。

そして見つかったのが、この絵本。

主人公?は犬はりこのこたろう。
夜、みんなが寝静まったころの本棚は
本の挿絵たちが表に出てきて大賑わい。

そんなみんなが迷子になったり
アクシデントが起きないよう見張っているのがこたろう。

でも、そこは様々なジャンルの本から
飛び出してきた挿絵の皆さん。

大人しくしているはずもなく、
次から次へとアクシデントが起こり
こたろうはおおあらわ。

そんなてんやわんやな状態を
ページいっぱいに表現しているのがこの絵本です。

そしてこの絵本のもう一つの特徴が
たくさんの挿絵たちに紛れてしまった
さまざまな人物やモノ、動物、妖怪・・・
を探すエンターテイメント絵本になっているところ。

簡単な探し物から
大人でも簡単には見つからない探し物まで
難易度は幅広く
家族みんなで絵本を広げて楽しみました。

端から端まで表情のある挿絵たち。
どこを見ても一切手抜きがありません。
だからなのでしょうか。
探しもの絵本は
一度解いてしまうと飽きてしまう子どもたちも
何回も絵本を自分たちで読み返していました。

絵本の形態はいろいろありますが
この絵本は単なる探し物絵本に分類できない
唯一無二な存在といえる素敵な絵本だと思います。


2018年9月21日金曜日

【谷川俊太郎ワールド炸裂】これは のみの ぴこ(サンリード)【深く息を吸い一気に読むと・・・】

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これは のみの ぴこ(サンリード)

さく:谷川俊太郎
え :和田 誠

定価 180円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 10分程度


~読み聞かせの感想~
谷川俊太郎の絵本は
言葉の響きやリズムが
面白いものが多いです。

この絵本は1979年発刊と古い絵本ですが
言葉遊びの輝きは全く薄れていません。

題名は「これはのみのぴこ」
でも、ここから展開される物語は
まったくの想定外!

1ページ目が
「これはのみのぴこ」
2ページ目は
「これはのみのぴこのすんでいるねこのごえもん」
3ページ目は
「これはのみのぴこのすんでいるねこのごえもんのしっぽふんずけたあきらくん」

こんな風に、場面が次々と展開しつつ
文章は積み重なっていきます。

読み手は始めは気楽に読み始めますが、
ページを重ねるたびに
確実に読む文章は増え
最後のほうは読む前に
深く息を吸い込んでからでないと
とても文章を読み切ることができません(笑)

でも、その苦労に負けず
だんだんと早口に文章を読み進めると
自然と子どもたちも文章を覚えて
一緒に読み始めます。

何だか知らないうちに
一家を巻き込み音読合戦。

谷川俊太郎ワールドにはまる瞬間がそこにはあります。

2018年9月18日火曜日

【生き物によって命の重さは違うの?】希望の牧場(岩崎書店)【震災を忘れない】

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希望の牧場(岩崎書店)



さく:森 絵都
え :吉田 尚令

定価 150円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 20分程度


~読み聞かせの感想~
東日本大震災のあとに発生した
原子力発電所の事故により
「立ち入り禁止区域」になった牧場が、
福島県の浪江町にあり、現在も運営されています。

だれもいなくなった町の牧場にとどまり、
そこに取り残された牛たちを、
何が何でも守りつづけようと決めた、
牛飼いのすがたが絵本には描かれたいます。


放射能をあびた牛たちは、
もう食えない。
 食えない牛は売れない。
 いちもんの価値もなくなったってこと。
 それでも、生きてりゃのどがかわくから、
 水くれ、水くれって、さわぐんだ。
 エサくれ、エサくれって、なくんだよ。(本文より)

表紙からも重たい空気を感じますが、
原子力発電所の事故によって
出荷できない汚染された牛。

浪江町は当時立ち入り禁止区域となり
避難を求められた。
食べられる運命だった牛。
死を待つ牛。

それでも牧場主の吉田さんは
牛飼いとして、
牛たちをそのまま見殺しにはできなかった。
牛飼いとして命を預かる以上
食肉となる以外での死を許すわけにはいかなかった。

牧場主の怒りや憤り、
命の大切さや仕事への使命感、
何よりも自分自身の生き方をどうするか。

震災という大災害から起きた人災に
真っ向から立ち向かった人のお話です。


子どもたちはこの本を読んで一つだけ疑問を抱きました。
「この人は死んじゃわないの?!」

うかつには答えられませんでした。

さまざまな生き方や価値観はあるけれど
自分自身の命も大切にしてほしい
そんな言葉も添えて今回は読み聞かせをしました。

2018年9月15日土曜日

【よだれが出ちゃう絵本】やきそばばんばん(あかね書房)【躍動感がすごい!】

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やきそばばんばん(あかね書房)



さく:はらぺこ めがね

定価 130円(税別) 

全31ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 5分程度


~読み聞かせの感想~
この絵本の特徴は絵とリズム。

なんといっても
焼きそばがうまそう!
お世辞でもなんでもなく
麺にコシがあって、
具材がプリプリで、
ソースの焦げる香ばしい匂いが
絵本なのにビンビン伝わってきます。

物語は一人のおばあさんが
焼きそばを作り始めるところから始まるのですが、
突然用事を思い出し鉄板を放置しちゃいます。

すると、その放置された鉄板を助けるべく、
さまざまな人が入れ代わり立ち代わりお助け。

まるでリレーの走者のように
焼きそばをみんなで作っていきます。

でも出てくる人それぞれが個性的。

だから、それぞれが焼きそばに
素敵なアレンジを加えて
次の人へとバトンタッチ。

最後は戻ってきたおばあさんに仕上げてもらい
おいしい焼きそばの出来上がり。

ページの最後に書かれた
「やきそばばんばん」
というフレーズが
読み聞かせでは小気味よいリズムを作ります。

ページをめくるたびに子どもたちも乗ってきて
最後はみんなで「やきそばばんばん」

おなかの減ったご飯前でも
おいしい夢が見られるように寝る前でも
楽しい読み聞かせができる絵本だと思います。


2018年9月12日水曜日

【生きることの意味を本気で考える】ちいさなおおきなき(小学館)【繰り返し読みたい】

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ちいさな おおきなき(小学館)



さく:夢枕 獏
え :山村 浩二

定価 140円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 15分程度


~読み聞かせの感想~
表紙を見たら、3人に一人は
「この木 なんの木 気になる木♪」
と歌いだしそうな見事な木。

でも、どことなく寂しそうで
何かを話したさそうな木。

そんな印象を持ちました。

この絵本は「陰陽師」を書いた夢枕獏さんの作品。
スケールの大きな絵本に仕上がっています。

物語のスタートは
一匹のアリの前で小さな芽がにょきっと芽吹きます。
その芽は大地の恵み、天の恵みによって
一気に大きく育ちます。

育つ様は生き生きと描かれ
そこに文字として描かれた
「どうだ!」
の掛け声は木の生命力そのもの。

さて、その大きく育った木には、
小さな生命が宿ります。
そしてそこから生命の連鎖が始まり
まるでこの木が一つの地球のように
ここで生活を繰り広げます。

植物や動物だけでなく、当然のように現れた人間。
まるでここが小さな町のように、
文明が現われ、道具が発達し、
現代の私たちのような生活が
この大きな木の上で繰り広げられます。

すると、次第に木の上での生活は怪しげな展開に。
争いが絶えず、奪い合いが始まり、
とうとう戦争が起こります。

そう、この木は単なる地球のようだ
ではなく、
地球の歴史そのものを描いています。

人々の愚かさにむなしさを覚えながら
ページをめくると、
あの大きくて生き生きとした木は
朽ち果ててしまいました。

自らの欲望を満たすために
自らの居場所をなくした人間たち。

最後に倒木から芽吹いた一つの芽が
なんとも切なく平和を願わずにはいられませんでした。

2018年9月9日日曜日

【本当に運が良いのは誰?】きょうはなんてうんがいいのだろう(すずき出版)【思わず吹き出す】

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きょうは なんて うんがいいのだろう(すずき出版)


さく:宮西 達也

定価 120円(税別) 

全29ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 15分程度


~読み聞かせの感想~
「運がいい」という言葉をよく使います。

でも、よくよく考えると
思ったほど運がよくなかったり
実はもっと運のよいことが起きていたり、

どの程度のことを「運がいい」とするのか
けっこう難しいことだったりします。

今回の絵本では、
そんな運の良さのあいまいさを上手くついた
大人のほうがより深く楽しめる絵本です。


主人公はオオカミと大量のこぶたたち。

この世界には入ると眠くなってしまう森があるようで、
群れとなって訪れた大量の豚さんたちが
森でお昼寝を始めました。

大量の豚が寝ている、
そんな不可思議な場面を見つけたのは、
ブタが大好物なオオカミ。

よだれを垂らすほどの喜びよう。
「今日はなんて運がいいのだろう!」

とても一人では食べきれないため
オオカミはお友達にこの絶好の大チャンスを
教えてあげるために家を訪れます。

オオカミは友達に
「こぶたがたくさん寝てるぞ!」
と伝えたかったのに、
お友達のほうが先に
「きのこカレーがあるから食べてって!!」
とお誘いされてしまいます。

心優しいオオカミは、
喜んできのこカレーを食べているうちに
すっかりこぶたのことを忘れてしまいます。

それでも、友達の家を出た後に
こぶたのことを思い出したオオカミは
他のお友達を誘おうと思い、
家へと向かいます。

ところがそこでも、
「アップルパイを食べていって」
とお誘いを受け、
おいしいアップルパイをほおばるオオカミ。

こんなにおいしいものを食べられて
「今日はなんて運がいいのだろう!」

もうこぶたのことなんか忘れてしまい上機嫌。

それでもアップルパイを食べ終わると
こぶたのことを思い出し、
やっぱり食べたくなって友達を呼びに行って・・・


最後のページがシュールで面白い。

こぶたたちが夕方にむくっと起き上がり
「あーよく寝た♪」

そう、こぶたはオオカミに食べられそうになったなんてつゆ知らず、
のんきにいつもの生活へと戻っていくさまが
可愛く描かれています。

本当に運がよかったのはどなた?(笑)

じわじわとくる面白さ、
ちょっぴり単調な展開ですが、
お決まりのオチの連続に
わが子たちは楽しく突っ込んでいましたww

みんなで次の展開を予測しながら
楽しく読める素敵な絵本です。

2018年9月6日木曜日

【今夜の夢もここからお届け?】こんやもバクはねむらない(講談社)【想像力が育つ絵本】

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こんやもバクはねむらない(講談社)




さく:澤野 秋文

定価 140円(税別) 

全36ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 20分程度


~読み聞かせの感想~

夢を見る日と見ない日、
楽しい夢と怖い夢。

夢占いもあるくらい
寝ている間に見る夢は
摩訶不思議な世界です。

そんな眠った時の夢の世界を
ある動物たちにコントロールされているとしたら
そこは不思議な世界が広がっていることでしょう。

今回の絵本では、
私たちの見る夢が
かわいい「バク」たちによって、
懸命に作られている世界である
という設定の物語です。


人間や動物がどんな夢を見るか
決定するのはバクの世界にあるガラガラポンw

担当のバクがくじを引きます。

そして出てきた「キーワード」から
自分自身でその夢に必要な登場人物や小道具を集め
夢を完成させて、眠りについた生き物にお届けをします。

いわゆる、夢職人。

そんな夢職人に新人が入りました。
名前は「ピケ」
この道の達人であり、師匠の「モーフ」に教えを請いながら
夢を完成させようと懸命に努力します。

ただこのピケくん。
ちょっとおっちょこちょい。
いや、だいぶ・・・

凧にのって大空を~が
タコにのって大空を~って感じで

たこ違いを犯しちゃったりして

夢の素材集めに失敗しちゃいます。

でも、あきらめず懸命に続けていればよいことあるさ

そんな感じで最後は大成功?!

最後の最後までバタバタ劇で
とっても楽しいです。

見開きのページを広げるたびに
夢の素材がたくさん詰まっていて
めくるたびに子どもたちがズズッっと前へ。

このリュックは誰の持ち物だー!
この着物はさっき出てたよね!
なんて楽しい会話をしてしまいました。

大人数の読み聞かせには不向きです。
少人数でみんなで夢の素材をどう使うか想像しながら
一緒に読み進めていくと楽しいと思います。


2018年9月3日月曜日

【温かな表情ある虫たち!】むしのもり(小学館)【早くも来年の夏にわくわく♪】

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むしのもり(小学館)


さく:タダ サトシ

定価 130円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 15分程度


~読み聞かせの感想~
むしって私は正直苦手なんです。
意思なく、でも懸命に動く姿。
生命力にたじろいでしまうw

でもこの「むしのもり」に描かれた虫たちは
どの子も表情が豊かで温かい。
表情に違いがあるというよりは、
虫の手足まで細かく丁寧に描かれていて
気持ちが伝わってくるのです。

主人公はさっちんという男の子。
この子とオオクワガタくんがお友達。

絵本には3つのお話が収録されています。
1.すもうたいかいのまき
2.おまつりのまき
3.はるのまき

お話はたくさんの虫たちが登場する中で
さっちんとオオクワガタくんの会話や行動、
お互いの気持ちなどが描かれていて、
虫の苦手な私ですら
二人に起こる出来事に羨ましくなってしまうことも。

最後のはるのまきでは、
さっちんがおなか一杯になって眠ってしまったので
オオクワガタくんが他の虫くんと協力して
優しくさっちんを寝床まで連れて帰ってあげます。

小さな虫たちが一糸乱れぬ行動で
優しく人間と接する姿は
こちらも思わずほっこりしてしまします。

私もこれからは虫を毛嫌いせず、
遠くからでもを観察してみようかな!
そんなふうに思わせてくれる素敵な絵本です。