2018年9月18日火曜日

【生き物によって命の重さは違うの?】希望の牧場(岩崎書店)【震災を忘れない】

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希望の牧場(岩崎書店)



さく:森 絵都
え :吉田 尚令

定価 150円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 20分程度


~読み聞かせの感想~
東日本大震災のあとに発生した
原子力発電所の事故により
「立ち入り禁止区域」になった牧場が、
福島県の浪江町にあり、現在も運営されています。

だれもいなくなった町の牧場にとどまり、
そこに取り残された牛たちを、
何が何でも守りつづけようと決めた、
牛飼いのすがたが絵本には描かれたいます。


放射能をあびた牛たちは、
もう食えない。
 食えない牛は売れない。
 いちもんの価値もなくなったってこと。
 それでも、生きてりゃのどがかわくから、
 水くれ、水くれって、さわぐんだ。
 エサくれ、エサくれって、なくんだよ。(本文より)

表紙からも重たい空気を感じますが、
原子力発電所の事故によって
出荷できない汚染された牛。

浪江町は当時立ち入り禁止区域となり
避難を求められた。
食べられる運命だった牛。
死を待つ牛。

それでも牧場主の吉田さんは
牛飼いとして、
牛たちをそのまま見殺しにはできなかった。
牛飼いとして命を預かる以上
食肉となる以外での死を許すわけにはいかなかった。

牧場主の怒りや憤り、
命の大切さや仕事への使命感、
何よりも自分自身の生き方をどうするか。

震災という大災害から起きた人災に
真っ向から立ち向かった人のお話です。


子どもたちはこの本を読んで一つだけ疑問を抱きました。
「この人は死んじゃわないの?!」

うかつには答えられませんでした。

さまざまな生き方や価値観はあるけれど
自分自身の命も大切にしてほしい
そんな言葉も添えて今回は読み聞かせをしました。

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