2018年9月12日水曜日

【生きることの意味を本気で考える】ちいさなおおきなき(小学館)【繰り返し読みたい】

にほんブログ村 子育てブログ 子供への読み聞かせへこのエントリーをはてなブックマークに追加
【Ctrlキーを押しながらクリックしていただくと簡単に投票できます。】
ちいさな おおきなき(小学館)



さく:夢枕 獏
え :山村 浩二

定価 140円(税別) 

全32ページ

読み聞かせおすすめ度  ☆☆☆☆☆
読みごたえ度      ☆☆☆☆☆
絵(写真)のかわいらしさ ☆☆☆
子どもと一緒に楽しめる度 ☆☆☆☆☆

実際に読み聞かせした夫か私の評価【満点:☆5つ】

読むのにかかった時間 15分程度


~読み聞かせの感想~
表紙を見たら、3人に一人は
「この木 なんの木 気になる木♪」
と歌いだしそうな見事な木。

でも、どことなく寂しそうで
何かを話したさそうな木。

そんな印象を持ちました。

この絵本は「陰陽師」を書いた夢枕獏さんの作品。
スケールの大きな絵本に仕上がっています。

物語のスタートは
一匹のアリの前で小さな芽がにょきっと芽吹きます。
その芽は大地の恵み、天の恵みによって
一気に大きく育ちます。

育つ様は生き生きと描かれ
そこに文字として描かれた
「どうだ!」
の掛け声は木の生命力そのもの。

さて、その大きく育った木には、
小さな生命が宿ります。
そしてそこから生命の連鎖が始まり
まるでこの木が一つの地球のように
ここで生活を繰り広げます。

植物や動物だけでなく、当然のように現れた人間。
まるでここが小さな町のように、
文明が現われ、道具が発達し、
現代の私たちのような生活が
この大きな木の上で繰り広げられます。

すると、次第に木の上での生活は怪しげな展開に。
争いが絶えず、奪い合いが始まり、
とうとう戦争が起こります。

そう、この木は単なる地球のようだ
ではなく、
地球の歴史そのものを描いています。

人々の愚かさにむなしさを覚えながら
ページをめくると、
あの大きくて生き生きとした木は
朽ち果ててしまいました。

自らの欲望を満たすために
自らの居場所をなくした人間たち。

最後に倒木から芽吹いた一つの芽が
なんとも切なく平和を願わずにはいられませんでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿